プロジェクトのリアル

Project
日本銘菓総本舗
エナジーウィズ

本件は“日本銘菓総本舗”という地域銘菓・名産品に係る事業承継のプラットフォーム構想(詳細)の元にスタートしました。
一号案件である株式会社庫や(くらや)は、那須を発祥とし、業歴20年超を有する洋菓子製造・販売事業者であり、主力の「チーズガーデン」ブランドを中心に栃木県をメインとし、都内や関西にも数店舗を保有していました。
最も販売量の多い商品は御用邸チーズケーキで、那須土産の定番品となっており、チーズケーキではありますが、常温で2週間の日保ちがするため、土産需要の獲得に繋がっていました。
庫やは創業オーナーからの事業承継案件です。

バリュークリエイションの全体像

購買→生産→物流→店舗販売まで極めて長いサプライチェーンの改善にチームとして取り組み、価値を創出しました。
本件の場合、それぞれ個々人が主要な担当領域を持ち、投資先経営陣・メンバーとプロジェクトを立ち上げ、それぞれのイニシアチブの推進を行いました。
バックグラウンドに関わらず、他投資案件での経験やファンドのプロフェショナルとしてのディベロップメントニーズに応じ、担当領域を議論して決定し、また週に1度程度チームの全体会議を行うことで進捗確認や進め方等の相談を行います。

庫やにおけるリブランディング

対象会社のブランドは顧客インタビュー等を通じ、“地方土産”がブランドの出発点であり、若い層を中心としてデザインへの評価が必ずしも高くないことが分かりました。
商品の味や質への高い評価をパッケージでも表現し、また顧客層を拡大することを狙いとして、著名なデザイナーを登用し、ブランドステートメントやパッケージを含むリブランディングを実行しました。
APはデザイナーの登用に始まり、インタビューの設計、パッケージデザインの議論等に参画・リードしました。
結果的にリニューアル時には多くのメディアからも注目され、また高級感のあるパッケージデザインとなったことで、顧客離反を起こさず商品価格を大幅に上げることに成功しました。

庫やにおける業態開発・出店

AP投資実行時には16店舗であった店舗が、一部不採算店の閉店を並行しながら、Exit時には26店舗まで拡大しました。
当初那須の路面店や百貨店中心に物販中心の店舗展開を行っていましたが、APの保有する優良なディベロッパーネットワークの共有によりアウトレットへの店舗展開が広がりました。
加えて、物販に加えカフェを併設する業態開発を推進しました。同業態は競合が国内に殆ど存在せず、国内のトップディベロッパーから極めて評価が高く、新規モール等においても出店場所を選べたり、出店後もモール内飲食店No.1といった結果に繋がっています。
業態・出店戦略の構築から、メニュー開発・候補先施設リストの作成等多岐にわたった支援を行っています。

日本銘菓総本舗構想:ロールアップ(追加買収)

本件は、前述の通り“日本銘菓総本舗”という地域銘菓・名産品に係る事業承継のプラットフォーム構想の元にスタートしました。
投資期間中に、顧客からの評価の極めて高いクリオロ、トアヴァルトの2社が参画し、出店や製造等においてシナジーを発揮しました。
APはこれら企業の探索、DD対応、資金調達、また案件実行後のPMIに幅広く携わっています。
なお、ロールアップのディール期間中は特に通常業務に加えて対応事項が局所的に増えるため、チームに追加メンバーがアサインされて取組を行っています。

クッキーの内製化・製造体制の強化

御用邸チーズクッキーは庫やにおいてチーズケーキに次いで販売額の大きい主力商品ですが、一部製造工程を外注しており、また製造工程がかなり手作業に寄っていました。
製造キャパシティ増強と原価率低減を両立すべく、機械導入を行うと共に工場内導線を改善し、外注工程の内製化に取り組みました。
結果として製造キャパシティが約3倍になるのに加え、原価率・ロス率が共に低下し、更なる販売増にも耐えうる高粗利商品となりました。
APは本件構想から機械導入検討、改善効果の試算・検証を支援しています。クッキーのように内製化を推進する商品もあれば、商品別利益率や工数等を可視化し、効率の悪い商品は改廃したり、外注に切り替えたりする支援も行っています。

プロジェクトの全体像

本件は、産業用及び自動車用鉛蓄電池のグローバル有力プレイヤーの1社であり、連結売上高1,000億円超、従業員数4,000名超の大型事業カーブアウト案件です。
事業カーブアウトに伴う各種支援を行うと同時に、対象事業がこれまで培ってきた技術・顧客基盤を生かし、モノ売り中心の「蓄電池メーカー」からコト売りが出来る「蓄電ソリューションプロバイダー」へと提供価値を拡大することで、更なる進化・成長を実現することに取組んでいます。
APの支援は、ジュニアメンバー2名が各自の主担当領域を持ち、投資先メンバーと密にコミュニケーション・議論を行い、主体的にプロジェクトを推進しています。また、週次で投資先の会長・社長と直接議論する場を持ち、経営陣、各事業部門、APが同じ方向を向いて取り組んでいけるよう、丁寧な合意形成・サポートを行っています。

投資実行

投資実行では、限られた時間の中でスポンサーとなる我々がリードし、買主(ファンド)・売主・対象会社・金融機関の利害調整と合意形成を行います。一連の活動は4~6名で構成されるチームプレイで推進します。同時に、ジュニアメンバーは各自の主担当領域を持ち、スピード感を持って主体的にタスクを推進していきます。
本件はカーブアウト案件であり、第二の創業と言える大企業からの独立に伴う多岐にわたる論点が存在したものの、シニアメンバーや各分野の一流のアドバイザーの支援を受けながら、課題解決を積み重ね、最終的に投資実行に至ることができました。

新会社の立上げ

事業部門のカーブアウトでは、長年事業会社の一事業部門であったところから、自らを主人公として、新会社のありたい姿を一から作り上げ、組織に浸透させていく必要があります。新会社の企業理念の策定にあたっては、経営トップ層に個別インタビューを行うと共に、社員を幅広く集め自社の進みたい方向/ありたい姿を考えるワークショップを実施し、本カーブアウトを社員が主体的に捉えられるようなプロセスを設計しました。
また、独立会社としてのオペレーション、組織の立上げにあたっては、まずは不足機能の経営人材の招聘を行いました。その上で、カーブアウトプロジェクトを投資先主導で推進できるよう、継続的なフォローや重要課題に対する支援を行いました。更に、データドリブンでの経営の実現のために大きな変革が必要となるIT/DX領域では、APがより深く入り込んでプロジェクトを推進しました。

海外子会社構造改革プロジェクトの推進

エナジーウィズのタイ子会社であるThai Energy Storage Technology(TES)は、タイのみならず東南アジア・中東。アフリカ地域で鉛蓄電池を販売するリーディングプレイヤーの1社です。主原材料である鉛の再製錬工場も保有しており、環境貢献の観点でも有力な会社です。
AP投資後、主に、①再生鉛製錬量の引上げ(環境貢献・コスト競争力の強化)、②日本のマザー工場からの技術協力の強化による生産性及び品質改善、③収益性分析に基づく価格・製品戦略の立案・実行といったバリューチェーン全体の改革を行っています。
本取組みでは、海外工場のオペレーション改善のプロフェッショナルを外部招聘し、構造改革プロジェクトを立ち上げました。プロジェクト発足以降、投資先主導でのプロジェクト推進をAPはサポートしています。

提案型蓄電ソリューションビジネスの立上げ

お客様や社会の困りごとに対し、エナジーウィズの知見・ノウハウと外部との協業を組み合わせ、エナジーウィズ側から提案を仕掛けていく、提案型蓄電ソリューション企業への進化を進めています。
APは、既存の鉛蓄電池販売のみに依存した事業体から、ソリューション提供を収益の柱とする事業体へトランスフォーメーションを実現することを重要テーマに設定しました。同社が得意とする鉛蓄電池ならではの特性を差別化の源泉の一つと捉え、遠隔状態監視システムサービスや、社会的要請が高い再生エネルギー関連蓄電池システムのローンチ等、各種取組みを進めています。

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