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昭和電工マテリアルズの蓄電デバイス・システム事業譲受に関するお知らせ
2021.07.08
株式会社アドバンテッジパートナーズがサービスを提供するファンド(以下、「APファンド」)及び東京センチュリー株式会社(以下、「TC」といい、両者を合わせて「本コンソーシアム」)は、本日、両者が出資する特別目的会社を通じて、昭和電工株式会社の連結子会社である昭和電工マテリアルズ株式会社(以下、「売主」)が営む蓄電デバイス・システム事業(以下、「対象事業」)の譲受けに関して売主と合意に達し、2021年7月8日付で最終契約を締結致しましたのでお知らせ致します。
対象事業は、1916年に新神戸電機株式会社の前身である日本蓄電池製造株式会社が蓄電池の製造・販売を開始したことに始まります。日立化成株式会社及び昭和電工グループの中で、高い技術力と強い顧客接点を持つことにより、日本の自動車向け・産業向け蓄電池の有力プレイヤーとして確固たる地位を築いて参りました。その結果、タイ、台湾等、海外事業を拡大し、グローバルな事業体制を構築しております。
本コンソーシアムは、以下に述べるような、事業の大きな成長余地と、持続可能な開発目標(SDGs)の実現を通じた社会的インパクトを見込み、事業の譲受けを決定致しました。
- 対象事業においては、今後も堅調な需要が予想される自動車用及び産業用鉛蓄電池事業の強化による利益拡大・安定的なキャッシュフローの創出が見込まれると同時に、EC・クラウドサービスの拡大、次世代通信網の普及に伴って、データセンター・通信向けの需要が増大
- 再生可能エネルギーの市場拡大や、環境対応車種に最適化された鉛蓄電池製品の上市など、クリーンエネルギー化を支える基盤要素としての成長機会も存在
- ASEAN諸国における再生鉛の利用率向上を通じ、環境面においても大きな貢献が可能
- 対象事業がこれまで培ってきた技術・顧客基盤を活かし、ソリューションサービスを育成・拡大することにより、「蓄電池メーカー」から「蓄電ソリューションプロバイダー」へと提供価値を拡大することで、更なる進化・成長が期待される
本コンソーシアムは、APファンド・TCそれぞれが保持するユニークな投資経験、経営支援ノウハウ、事業基盤を持ち寄ることで、対象事業の円滑な独立化と、更なる成長に寄与できると考えております。
APファンドは、大企業からのカーブアウトの支援経験と、産業材メーカー企業等への豊富な投資経験を有しております。近年のカーブアウト投資の例としては、ファスフォードテクノロジ株式会社、富士通インターコネクトテクノロジーズ株式会社、キューサイ株式会社等があり、円滑な独立化とその後の成長支援に関するノウハウを有しております。これらの経験や知識を総動員して、対象事業の独立化を支援すると共に、独立後の成長を全力で支援して参る所存です。
TCは、対象事業への投資をAPグループとの戦略的提携における共同事業投資案件と位置付けるとともに、TC既存事業とのシナジーの創出を目的としております。特にTCが展開しているオート事業、再生可能エネルギー事業、データセンター事業等については、蓄電池が重要な技術・製品であり、今後は蓄電に関連する付加価値の高い金融・サービスを提供することが可能となります。対象事業への投資を通じて、社会インフラの整備ならびに環境に配慮した循環型経済社会の実現に貢献して参ります。
これらの取り組みにより、本コンソーシアムは、対象事業の独立企業としての再スタートと、より一層のサステナブルな社会の実現に貢献する、アジアを代表するバッテリー事業者への成長を支援して参ります。
<取引の概要>
対象事業の譲受けは、売主が新たに設立する完全子会社(以下、「日本新会社」)に対して吸収分割の方法で国内対象事業を承継させた上で、日本新会社及び譲受対象企業の全株式を譲受けする形で行われます。
<日本新会社の概要(注1)>
会社名 | 蓄電デバイス分割準備株式会社(注2) |
代表者 | 取締役社長 吉田 誠人 |
所在地 | 東京都千代田区丸の内一丁目9番2号 |
事業内容 | 蓄電デバイスの製造及び販売、並びにこれらに関するシステム・サービス事業 |
<主な譲受対象企業の概要>
会社名 | エナジーシステムサービスジャパン株式会社 |
代表者 | 代表取締役 取締役社長 藤浪 司 |
所在地 | 東京都大田区平和島六丁目1番1号 |
事業内容 | 電池・電気機器の販売、サービス及びゴルフカートの製造、販売、サービス |
会社名 | 希世比能源科技股份有限公司 |
代表者 | 董事長 張 永淦 |
所在地 | 11F, No. 150, Section 4, Chengde Road, Shilin District, Taipei, 11167, Taiwan |
事業内容 | 鉛蓄電池の製造、販売 |
会社名 | Thai Energy Storage Technology Public Company Limited |
代表者 | Chief Executive Officer 山口 裕朗 |
所在地 | 387 Moo 4, Sukhumvit Rd., Phraek Sa Sub-district, Mueang Samut Prakan District, Samut Prakan Province 10280, Thailand |
事業内容 | 鉛蓄電池の製造、販売 |
(注1)2021年7月に設立予定であり、各事項はいずれも現時点での予定であります。
(注2)名称につきましては、今後変更される予定です。
以上
PORTFOLIO
エナジーウィズ
エナジーウィズ
- 企業名
- エナジーウィズ株式会社
- 投資時期
- 2021年12月
- 企業タイプ
- 非上場企業
- 背景
- 親会社における事業再編
- ファンド
- AP VI
- プロダクト
- 日本バイアウト
- 案件タイプ
- カーブアウト
- 業種
- 製造業
- ステータス
- 投資中
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