株式会社コシダカホールディングス

これまでの成功体験に固執せず、非連続な成長を実現する

『カラオケ まねきねこ』事業を中心として着実な成長を遂げ、2007年にジャスダック、 2016年には東証一部(現・東証プライム)に上場を果たしたコシダカホールディングス。ダイナミックかつ健全な経営を実行していますが、創業社長の腰髙さまは「新型コロナウイルスの流行前から、カラオケ業界全体に閉塞感が漂っていた」と言います。業界に革新を起こすための新しいサービスの開発、カラオケ以外の業態の拡充、海外出店の加速。さまざまな取り組みの実現に向けたパートナーとして選ばれたのが、上場企業の成長支援プライベート投資を推進するアドバンテッジアドバイザーズ(以下・AA)です。AAからの投資前後の背景や今後のビジョンについて、コシダカホールディングスの代表取締役・腰髙博さま、常務取締役・土井義人さま、AAの担当である小林と山下の4人による対談形式でご紹介します。(2022年10月インタビュー記事を元に編集)

この記事のポイント

  • 財務面以上に大切だった、経営支援の提案内容。
  • 最新テクノロジーを持つパートナー企業との出会い。
  • AAの現地オフィスと連携し、グローバル展開も加速。

基本情報

  • 投資時期:2022年3月
  • 業種:通信・メディア・エンターテイメント/消費者サービス
  • 企業タイプ:上場企業
  • 背景:成長支援(InfleXionⅡ/成長支援ファンド)

AAからの提案で、自社の可能性を確信。

腰髙:最初にAAさんとお会いしたのは去年の春でしたっけ?


小林:その時はおそらく紹介元の銀行さんを介してのお話だけで、我々が直接お会いさせていただいたのは9月頃だったと思います。


腰髙:そうでしたね。コロナ禍はもちろんそれ以前からカラオケという業界全体に閉塞感が漂っていたので、新しいことに挑戦したいと常々考えていました。銀行の方とそんな話をしていた時に、AAさんをご紹介いただいて。あのプレゼンは素晴らしかったなぁ。ご提案資料を見れば見るほど、「うちっていい会社なんだな」と実感しました(笑)。


小林:ありがとうございます。個人的に昔からコシダカさんのカラオケにはお世話になっていたので、好きな気持ちが溢れたのかもしれません(笑)。あとは、デジタル技術を活用したカラオケ事業の進化や、ウェルテインメント(ウェルネス=健康増進とエンターテイメントの両立)型サービスの開発、海外展開の加速といった強い想いをお持ちだったので、我々としてもその実現に向けてできること、やるべきことをご提案させていただきました。


山下:投資受け入れをご決断いただいたのは、経営支援がポイントになったということでしょうか。それとも財務面も重視されていましたか?


腰髙:財務は二の次ではありましたが、どんな打ち手を実行するにしても必ず必要になるものなので、安心感はありました。ただ、やはり最大のポイントはおっしゃる通り経営支援です。
我々は「EIP:Entertainment Infrastructure Plan」、つまり「エンタメをインフラに」という理念を掲げているのですが、自前のリソースだけではなかなか変革を加速できませんでした。当社の人材の多くは店舗運営のスキルに特化していますからね。AAさんは組織づくりや商品開発、マーケティングといった分野をハンズオンで一緒にやっていただけるし、当社が継続的に成長できるよう人材採用もサポートしていただけるということで、本当に魅力的だなと。経営陣の世代交代も見据えていかなければいけませんから、人材の補強も重要な経営課題の一つでした。


土井:まだAAさんの出資から半年ほどしか経っていませんが、専門スキルを持った人材をもう10名近く採用できています。営業推進、一級建築士や経理、総務のプロフェッショナル。これまで社内にはいなかったタイプの人材が増えて、ますます可能性が広がっていますね。


山下:コシダカさんは、AAを含めて外部をうまく取り入れて成長されている印象です。非常に柔軟で、受け入れ度が高いな、と。


土井:私自身も中途入社ですし、会社のDNAとしては業界内でも新しい試みにいち早くチャレンジする社風でもあります。そういう意味でも、新しいことや人に対するアレルギーは少ないですね。


業界全体に変革をもたらすことも、リーディングカンパニーの責任だ。

小林:コシダカさんは本当に動きが早いですよね。投資前から議論していた経営課題の中でも、特に優先順位が高かったのが「人材採用」「ウェルテインメント事業の開発」「カラオケのDX」という3点ですが、わずか数ヶ月でどれもが形になりつつある。


山下:ウェルテインメント事業は、構想開始からトライアル店舗のオープンまでに実質4か月かかっていません。すごいスピードだと思います。


腰高:楽しみながら健康になろうという、店舗型の新業態です。5月ぐらいから検討を始めて、8月にトライアル店舗ができました。今のところお客さまの反応もいいですね。ただ、シニア層がターゲットなので広がるまでには少し時間がかかると思います。軌道に乗るまでには2年ぐらいは必要かな。


小林:いえ、他社さんならトライアルまでに2年かかりますよ。


腰高:もちろん我々も頑張りましたが、AAさんのお力添えも間違いなくあります。今日はいらっしゃっていませんが、ウェルテインメント事業のメイン担当は渡辺さん、西川さんですよね。


小林:そうですね。私と山下以外にあと3人コシダカさんの担当がいて、ウェルテインメントは渡辺と西川が中心になって推進しています。


土井:新技術を活用した新たなカラオケ体験の提供も、検討が進んでいますよね。


山下:トライアルをしましたが、私も一ユーザーとして非常に面白いと感じております。


腰高:詳細はまだ話せませんが、本当に画期的ですよね。この技術を実現できたのも、AAの望月さんが素晴らしいパートナー企業とつないでくださったからです。


小林:AAはドコモさんと戦略パートナーとして業務提携しているので、そのネットワークから生まれたつながりです。


腰高:これからもいろんなアイデアが出てくると思いますし、相当すごいことになりそうな予感がしています。 私は、カラオケ業界が低迷しつつあったのは「変化がない」ことが理由だと考えています。20年、30年前からカラオケのサービスって変わっていないですよね。だからこそ我々は、リーディングカンパニーとして新しいサービスやコンテンツを開発し、世の中に広く提供していきたい。競合に対する優位性を保つと同時に、業界全体を盛り上げていければうれしいですね。


大切なのはプロセスよりも結果。うまくいくまでやり切る覚悟。

小林:AAに対して、何かご要望やさらに期待することなどはありますか?


腰高:ここまでのプロセスについては概ね満足しています。ただやはり結果がすべてなので、これからの実績次第というところですね。もちろん、うまくいくだろうとは感じています。


小林:おっしゃる通りですね。我々としては、うまくいくまでやり切るという思いです。


腰高:あとは、海外事業を任せられる人材を2,3人採用できれば一気に加速すると思っています。コロナ禍の影響で2年ほど止まっていましたが、東南アジアは今年の4月ぐらいからロックダウンが解除されました。今、ジャカルタの店舗はまさに絶好調です。
確実に需要があると分かりましたので、本格的に拡大していきたい。インドネシアに加えてマレーシアとタイにも出店予定なのですが、現在はほぼ一人の社員で海外事業を回しています。いくら彼が優秀でも3カ国全てを一人で進めるのは無理があるので、各国にしっかりとした責任者を常駐で配置したいと考えています。できれば日本人ではなくローカルの方がいいですね。


土井:日本と同じく多くの店舗を出店していくつもりなので、そういった展開を考えればローカル人材が理想です。社内にノウハウはありますから、人材さえいればあっという間に拡大できると思います。


小林:たしかにそうですね。それはぜひ進めましょう。我々は東南アジアにもオフィスがあるので、人材採用はもちろん出店場所のリサーチなども可能です。


腰高:どこにオフィスがあるんでしたっけ?


小林:香港、シンガポールと上海です。シンガポールからマレーシアに行って現地調査もできます。


山下:投資先企業があるのはシンガポールだけではないので、各国やエリアの最新の状況や市場感覚も持っているはずです。


腰高:いいですね。また改めて相談させてください。


小林:土井さんからも、AAに対して思うところがありましたら仰ってください。


土井:細かいところまでサポートしていただき、大変満足しています。アイデアやネットワークもそうですが、推進力も大きいですね。正直、私自身の組織を引っ張っていく力に限界を感じていたところもありまして、私たちも含めて引っ張っていってくれるので大いに助かっています。もちろんまだまだやりたいことはあるので、これからも色々とお力を貸してください。


腰高:おそらく、世の中の経営者の皆さんはご自分の知恵と経験でこれまで頑張ってこられたと思います。ただ、AAさんとお付き合いすると自分が持っていないものを手に入れられる可能性がある。土井の申し上げた推進力というのもまさにそうですね。
これまで培ってきた成功体験も大切なのですが、一定以上の規模になるとそれだけでは通用しなくなるタイミングもあるでしょう。そんな時に、AAさんの経験や知見、人材をうまく活用されるといいんじゃないでしょうか。迷っている経営者の方は、是非、思い切って一度AAさんにご相談するべきと思います。


小林:ありがとうございます。我々としてもやりたいことはまだたくさんありますので、これからもよろしくお願いいたします。