News
水素ファンドが低炭素合成燃料のリーディングプレイヤーであるINFINIUM HOLDINGS, INC.へ初号投資を実行しました
2025.01.17
株式会社アドバンテッジパートナーズおよびその関係会社(総称して、「APグループ」)がサービスを提供するJapan Hydrogen Fund L.P.およびそのパラレルファンド*1 (以下、「水素ファンド」)は、INFINIUM HOLDINGS, INC.(以下、「インフィニウム社」)への投資を実行しました。本件は水素ファンドによる第1号投資案件となります。
インフィニウム社は米国カリフォルニア州を本拠地とし、独自の技術を用いて低炭素の合成燃料であるeFuelを製造し航空産業などの長距離輸送業界や化学産業向けに提供しています。食料や土地などの自然資源と競合しない豊富でスケーラブルな原料(再生可能エネルギー、CO2、水)を利用した超低炭素製造プロセスを特徴とし、テキサス州には運転開始済みの世界初「eFuel」*2プラントを有しています。インフィニウム社が提供するほぼカーボン強度ゼロのエネルギーは、顧客が低炭素化目標を達成する有力な手段となっています。
水素ファンドは、今後インフィニウム社が開発するプロジェクトに最大1億5,000万ドルの投資機会の提供を受けられることとなっており、こうした投資により業界のトップランナーとしての成長を支援することが見込まれます。また、インフィニウム社との間では、水素ファンドの投資家を中心とした水素バリューチェーン推進協議会(以下、「JH2A」)の会員企業向けにも同社技術ライセンス・eFuelの購入や技術協業の機会の提供に向けて協業することを合意しており、これによりカーボンニュートラリティを加速していくことに貢献していく所存です。
本件はインフィニウム社のシリーズC優先株式発行に対する投資となり、ブルックフィールド・グローバル・トランジション・ファンド(以下「BGTF I」)も同時に投資を実行いたします。APグループはBGTF Iの運営者であるブルックフィールド・アセット・マネジメント(NYSE: BAM、TSX: BAM)及び他の株主とも連携してインフィニウム社を支援してまいります。
本投資に際して以下コメントを頂戴しております。
インフィニウム社創業者兼CEO ロバート・シューツル氏
「水素ファンドが当社の先進的なエネルギー投資家グループに加わることを非常に嬉しく思います。水素ファンド及びその運用者であるAPグループと協力パートナーは、世界でエネルギー転換を推進している最も革新的なグループであり、新しいファンドの最初の投資先として当社を選んで頂いたことを心より光栄に思います。APグループとは、本取引を通じて非常に良い協力関係を築きました。彼らは水素およびクリーン燃料の分野に関して非常に豊富な知識を持っており、資本以上の戦略的な価値を提供してくれるパートナーです。」
APグループ共同創業者兼代表パートナー リチャード・フォルソム氏
「インフィニウム社に水素ファンドから初めての投資を実行できたこと、また、今後同社が開発するeFuel製造プロジェクトに対して投資を行っていくことを非常に嬉しく誇りに思っています。水素ファンドは水素サプライチェーンへのリスク資本提供を通じて、水素やその派生分子であるクリーン分子のコストダウンと需要の拡大を目指しています。
我々には水素ファンドの投資家との強い結びつきがあり、また、世界の「Hard to Abate」セクターに取り組む企業や政策立案者とのネットワークがあります。これらを通じてインフィニウム社とそのプロジェクトに多くの「ジャパン・アングル」を提供し、世界のeFuelサプライチェーンに付加価値を加えることができると確信しています。」
JH2A事務局長 福島洋氏
「水素ファンドの初回投資が9月の初回クローズ発表から非常に迅速かつ円滑に行われたことを大変嬉しく思っています。水素ファンドはインフィニウム社の経営チームとの協議・連携を深めました。水素ファンドはインフィニウム社と合意の上、将来プロジェクトへの投資、オフテイク、ライセンス、技術協力など、様々なビジネス機会を獲得しており、これは日本の脱炭素推進にとっても非常に重要です。JH2Aは世界及び日本における水素サプライチェーンの実現を目指して設立されました。水素の普及を加速し、コストダウンを実現し、需要を育成することを目指しています。e SAFは水素社会実現の初期段階において、非常に有望なユースケースの一つです。この取引には、JH2Aも期待する日本裨益性が多く反映されていると感じています。」
*1 水素ファンドは、①APグループ(投資助言サービスおよび管理サポートを提供)、②JH2A(477社の会員と水素ファンドとのコラボレーションを促進)、③三井住友DSアセットマネジメント株式会社(以下「三井住友DS」)(ファンド管理サービスおよびサステナビリティおよび日本裨益に関する評価を提供)の協力の元、運営を行っております。
*2合成燃料(eFuel、エレクトロフューエルまたは非生物由来の再生可能燃料(RFNBO)とも呼ばれる)は、従来の石油系燃料と比較して温室効果ガス排出を大幅に削減する低炭素合成燃料です。本合成燃料は、従来の化石燃料(ジェット燃料やディーゼルなど)を使用する既存のエンジンにそのまま投入することができ、関連インフラの変更は不要です。また、プラスチックや化学製品に必要な石油製品の低炭素代替物でもあります。
インフィニウム社について
インフィニウム社は温室効果ガスを排出しない次世代エネルギーソリューションをリードする企業です。同社は低炭素eFuel製造における技術及び関連特許を有しています。インフィニウム社は商業規模でのPower to Liquid(電気から液体燃料を作る)ベースでのクリーンeFuelの生産を行った世界初の企業です。Amazon、アメリカン・エアラインズ、ボレアレスなどがインフィニウム社の顧客です。詳細は www.infiniumco.com をご覧ください。
水素バリューチェーン推進協議会について
JH2Aは水素社会構築のため2020年12月に任意団体として発足し、2022年4月に一般社団法人化した団体です。2050年カーボンニュートラルに貢献する水素バリューチェーンを構築するためには官民一体となった取組の加速が必要であると考えております。また、民間の力を結集して社会実装の取組を進めるとともに、政府によるインセンティブ制度等による需要増などの政策提言を行い、「需要増と供給増の好循環」を創出することで、水素社会の実現を目指します。詳細は https://www.japanh2association.jp/ をご覧ください。
三井住友DSアセットマネジメントについて
三井住友DSは伝統資産からオルタナティブまで多様な資産を運用する資産運用会社です。高品質なアクティブ運用商品の提供を目指して、日本のみならずグローバルなリサーチ基盤を構築しています。今後も商品拡充とグローバルな営業体制の強化で幅広い運用ニーズに応えます。詳細は https://www.smd-am.co.jp/ をご覧ください。
携わったTEAM
PORTFOLIO
INFINIUM HOLDINGS, INC.
INFINIUM HOLDINGS, INC.
- 投資時期
- 2024年12月
- 企業タイプ
- 製造業
- ファンド
- Japan Hydrogen Fund
- プロダクト
- 再生可能エネルギー・サステナビリティ投資
- 案件タイプ
- マイノリティ投資(非上場)
- 業種
- 製造業
- ステータス
- 投資中