コミュニティワン株式会社

コミュニティワン株式会社

日本バイアウト

ファンド活用の経緯

業界最大規模の管理会社として独自の発展を目指す

  • 10万戸弱の物件の管理を受託する業界大手のマンション管理会社だったが、経営状況は親会社であるダイア建設の分譲実績に大きく依存していた。
  • ダイア建設の経営状況の悪化によって、事業の先行きが不透明な状況に陥っていた。
  • ダイア建設は資金繰りのために旧ダイア管理(現コミュニティワン)の売却を検討していた。

投資に至った背景

10万戸弱という管理戸数は大きな強みになる

マンション管理業界においては、管理戸数が1万戸以下となる中小規模の管理会社がほぼ9割。一方でマンションストック戸数の増加とそこに暮らす人たちの永住志向の高まりからマンション管理業界に対するニーズは高度化・多様化していることに加え、行政による規制強化にともないコンプライアンス体制の徹底も求められていた。こうした環境下において競争力を維持するには、一定規模以上の管理戸数の確保が重要となる。したがって、すでに10万戸弱の物件を管理していた旧ダイア管理には追い風となる状況だと考えた。

業界再編への好機と判断

同一業界の複数企業への投資によって業界再編を促し、投資成果を高めるロールアップ戦略。バイアウト・ファンドとして保有する経営資源、ノウハウやネットワークを活用し、過去にも多数のロールアップ戦略を成功させてきた経験から、マンション管理業界は業界再編を仕掛けるのにふさわしい条件を満たしていると判断した。

経営支援の切り口

独立企業として経営理念を明確化

新社名として「コミュニティワン」を採用。経営理念を「すべてのお客様に生活感動を創造し続ける」と定めた。併せて価値観、ビジョンも明文化。経営方針を議論する際に立ち戻るべき拠り所として社内に根付かせた。

成長戦略の策定と実行

独立企業としての成長戦略を策定。年間1万戸の新規顧客を獲得できる組織体制を構築した。大規模修繕、リフォーム、住宅流通、保険などの付帯サービスについてもきめ細かな提案ができる体制を整えることで売上が拡大。同時に、原価や販売管理費の管理徹底を図り、基幹システムの再構築などを通じて管理業務を効率化した。結果として、業界トップクラスの収益性を実現した。

ユナイテッドコミュニティーズ株式会社(UC)によるロールアップ戦略の実施

ロールアップ戦略の受け皿としてユナイテッドコミュニティーズ株式会社を設立。積極的に同業他社の買収機会を伺い、5件の追加買収を実行した。さらにM&A後のシナジー創出を積極的に追求。追加買収先の間接業務をUCに集約することでスケールメリットを享受できる体制を築いた。また買収企業の旧親会社であるマンションデベロッパーとも良好な業務提携関係を維持し、買収後も管理物件の受託を継続している。