仮説を立案してビジネスを変革し、数値を基に検証・改善する。究極の仮説検証型の仕事

戸手 博之
2019年度入社

戸手 博之 (ヴァイス プレジデント)
2019 年 10 月、アドバンテッジパートナーズに参加。B2Bサービス(マテリアルグループ)、B2Cメーカー(キューサイ)、B2Bサービス(保険見直し本舗グループ)などの投資案件を担当。
大学卒業後、株式会社電通に入社。データサイエンティストとして、デジタルサービス、消費材、飲料、自動車など、様々な業種に対してデジタルマーケティング、メディアプランニング、広告投資最適化業務に従事。その後、ボストン・コンサルティング・グループにて、主にエネルギー業界、電機業界、金融業界、通信業界等を対象に、事業戦略策定、新規事業戦略立案/立上げ、デジタルトランスフォーメーション立案/推進等に従事。東京大学工学部卒業。

※本記事は2024年7月に取材したものです

企業価値向上のためなら、あらゆるレバーを自分で押しにいける環境

新卒で電通に就職して、一度BCGに転職した後、2019年にアドバンテッジパートナーズ(以下、AP)に入社しました。最初に電通を選んだのは、特定の領域で自分の強みを確立したかったからです。電通=マーケティングのイメージがあったので入社したのですが、私が理系出身だったこともありデジタル系の部署に配属となりました。希望の仕事ではなかったものの、仕事は愚直に頑張っていたつもりです。転職を考えたのは、学生時代の同級生がきっかけでした。彼は新卒でコンサルティングファームに入り、すでにPEファンドで働いていたのですが、当時の私からすると信じられない額を稼いでいました。そしてなにより、若くして複数社の経営に携わっていると聞き、こんな世界があるのかと驚きました。

これはぜひ自分も挑戦したいと思いましたが、電通から直接行くことは難しい。そこでコンサルティングファームで経験を積むために転職活動をして、運良くトップファームの一つであるBCGからオファーをいただいたので転職しました。広告という狭い領域から経営全体の戦略立案に携わることになり、仕事も楽しいし自己成長も実感できるし、もうこのままコンサルタントとして働きつづけてもいいのではと思うほど充実していました。

ただ、やはりどこまでいっても最初の憧れが消えることはなく、30歳手前でPEファンドにチャレンジすることを決めました。その中でもAPを選んだ理由は大きく2つあります。1つ目は、日本がメインの拠点であること。日系企業と外資系企業の両方を経験した私としては、日本に本部機能がある方が経営陣の考え方や会社の方針が分かりやすいと感じていました。PEファンドは意思決定が最も大きな仕事になると思うので、その意思決定を司る人たちの顔が見える、というのは仕事の納得感の上では重要だと考えました。2点目は、バリューアップに注力していることです。前の2社でクライアントの業績アップや変革支援に取り組んできたこともあり、その部分が自分の軸となっているので、最初からAPが第一志望でした。

実際に入社してみて感じるのは、仕事のやりがいも働く環境も、想像通りかそれ以上です。企業価値向上のためにはあらゆるレバーを自分で押しに行ける環境ですし、業績が上がらなければ自分たちの実入りにならないという緊張感も、前向きなエネルギーに変換することができています。

これまで投資先を3社担当していますが、AP側のチームリーダーは全て異なるパートナーです。皆さん素晴らしい方ばかりで、しかもそれぞれ強みや特徴が違うので、毎回新しい学びがあります。細かいところは下に任せつつ重要な局面で切れ味鋭い意見をくださる方もいますし、あの手この手で組織を動かしていくパワーと執着心をお持ちの方もいます。各パートナーのやり方を間近で見させてもらうことで、自分自身の手札も増えていると感じています。

知恵を絞り、汗を流した取り組みが、数字として跳ね返ってくる喜び

この1、2年でいくと、健康食品や化粧品を取り扱うキューサイという会社で担当しているKPIの改善を実現することができました。定期的に買っていただくストック型のビジネスが収益の基盤なので、「いかに新規のお客さまを増やすか」と「どれだけ長く継続してもらうか」という2つの変数が重要な指標になります。新規集客は通販番組がメインの流入経路なのですが、キューサイのクリエイティブ部門のケイパビリティというのは元々かなり強いものでした。門外漢の私が口を挟む余地はないですし、最初の1年はコロナ禍等の不透明な環境要因もあり、なかなか数字を改善することができませんでした。

ただ色々と調べていく中で見えてきたのが、優秀な担当者が高いレベルでディレクションしている一方で、社内にそのナレッジが共有されていないということです。そこで、次に制作する番組は何がポイントなのかを言語化し、成果を数字で分析しながら改善していくという基本的なPDCAのサイクルを構築しました。加えて、プロセス管理の仕組みも導入して通販番組の制作本数を大きく増やすことができています。結果として、現在は集客効率も改善しただけでなく、集客効率自体を“自分たちで改善可能な”KPI”として捉えることができるようになりました。

継続率の方も、考え方は同じです。小さな取り組みをいくつもスピード感を持って推し進め、効果が出た施策を見逃さずに広げていくという順序で地道に数値を改善してきました。もしかしたらアイデア一本で勝負できる天才型の人もいるのかもしれませんが、私にはそれはできません。トライ&エラーの仕組みを作り、もしも実行が難しい理由があるならその理由を排除するという、オーソドックスだけど確実に成果の出る手法で勝負しています。

PEファンドの仕事は、究極の仮説検証型の仕事だと感じています。コンサルティングファームも仮説検証が重要だとよく言われますが、コンサルタントはあくまでもリサーチ型の検証しかできません。一方でわれわれは、投資検討時に立案した仮説をリアルなビジネスに落とし込み、それが実際に通用するのか売り上げや利益という結果指標の観点から検証し続けていくわけです。投資先の皆さんと自分たちの取り組みが数字として跳ね返ってくる嬉しさ、そして跳ね返ってこない時の悔しさ。そのどちらもここでしか味わえない醍醐味だなと感じています。

私のつたない知識と想像力の範囲での話ではありますが、PEファンドは世の中で最も面白い仕事の1つであり、かつAPはその中でも心の底から他の人に推薦できる素晴らしい会社だと思っています。やりがいを持って仕事に打ち込み、プロフェッショナルなキャリアを突き詰めたいと考えている方には最高の環境だと思います。真摯な姿勢と素直さを持っている方に来ていただければ嬉しいです。

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