芳賀 純平(シニアアソシエイト)
2019年12月、アドバンテッジパートナーズに参加。
製造業(FICT)、Eコマース(デンタルホールディング)、リユース(ネットジャパン)などの投資案件を担当。大学卒業後、JPモルガン証券株式会社の投資銀行部門にて勤務。飲料や電機、半導体、自動車盗、幅広い業種に対するM&Aアドバイザリー業務及び株式・社債引受業務を担当。慶應義塾大学法学部政治学科卒業。
※本記事は2024年7月に取材したものです
前職は外資系の投資銀行で、そちらで3年半ほど働いた後2019年にアドバンテッジパートナーズ(以下、AP)に転職してきました。投資銀行時代にPEファンドの方と仕事をご一緒する機会があり、投資と経営の両方に主体性を持って取り組めると知ったことが転職を考えたきっかけです。ファンドにも色々ありますが、当社を選んだ決め手は投資後のバリューアップのスタンスに魅力を感じたことです。
当社は投資先企業のバリューアップに強くコミットすることが大きな特徴で、しかも基本的には、投資と経営支援を同じチームで担当しています。他のファンドであれば、私のような金融出身者は投資側の役割を期待されることが多いのですが、APでは「投資と経営をどちらもできるようになって一人前」だという考え方です。入社してからこれまで3社の案件に携わっており、特に2社目と3社目は事業成長の領域にもかなり関与させてもらいました。
1社目がFICTという富士通の元子会社のカーブアウト案件。2社目が歯科医院向けの通販事業を営むデンタルホールディングで、3社目がラグジュアリー品のリユースを行っているネットジャパンという会社です。2社目は2年半ほどでエグジットとなり、期間としては通常より短いのですが、投資の検討からバリューアップ、エグジットまで一連の流れを早い段階で経験できたのは大きかったです。経営改革はカタログ通販からECへの切り替えが主要なテーマで、物流の改革やコールセンターの改善、バックオフィス全体の体制構築などを推進し、一定の成果を上げることができました。最終的なリターンにもつながりましたし、非常に感慨深い案件です。
FICTとネットジャパンは現在も投資中の案件なので、売り上げや収益をさらに伸ばせるよう日々試行錯誤しています。これもAPの魅力の1つですが、入社前に想像していた以上にフラットな組織環境です。パートナーだから、ジュニアだからといった区分は全くなく、できる人や意欲のある人にはどんどん任せてくれるカルチャーなので、その分やりがいも大きいです。もちろん非常に責任の重い仕事ですから、自由に発言できる環境とはいえ自分の言動には十分に注意しています。
私はまだ30代前半で、ファンドの経験も4年しかないので中堅というのもおこがましいキャリアですが、投資先企業の方から見ればマジョリティ株主の1人ということになります。何気ない一言も、株主の意見として捉えられるわけです。それによって物事が動くこともありますから、ジュニアスタッフであったとしても言動に対する強い責任感が求められます。そうしたプレッシャーを楽しめる、むしろやりがいだと感じられる人に向いている仕事かもしれません。
以前から気軽に質問したり相談したりできる環境ではありましたが、ジャパンバイアウトでは今はブラザーシスター制度ができたので、これまで以上に安心して業務に取り組めると思います。こういう人は成長するだろうなと感じるのは、先ほどお話しした責任感と、それに加えて粘り強さを持っている人です。
投資前には本当にこの企業に投資すべきか、あるいはいくらであれば投資していいのかを徹底的に検討しますし、その後のバリューアッププランも複数用意した上で投資を実行します。ただそれでも、経営に関わる以上は想定外のことなどいくらでも起こり得ます。そういった時にもしっかり課題と向き合いながら、「どうにかして会社を良くしていこう」とする粘り強さを持っていることはやはり重要です。思考し続ける持久力と言ってもいいでしょう。さまざまな課題に同時に取り組みながら、粘り強く考えられる人と一緒に働ければ嬉しいです。
私自身は、まだまだ引き出しの数も深さも足りないなと感じています。同じ案件に入っている上席やパートナーを見ていると、問題解決力も投資先企業の経営陣と関係性を構築する力も圧倒的に高い。われわれは業種を問わず投資を実行していますが、他業種であっても過去の経験を生かすことは十分に可能です。新規顧客の開拓やコストダウン、DX、プライシングの改善。パートナー陣はそういった各企業共通のテーマに何度も取り組んできたからこそ、引き出しも豊富なのでしょう。私もこの場所でさらに経験を積みながら、経営陣の方々と対等な目線で議論できる人材になりたいと思っています。
今は仕事が本当に面白くて、転職は考えられません。投資にも経営にも関わりながらリターンを出していくのは非常にダイナミックですし、自分がこれまで関わりのなかった業界に深く入り込んでいく場面では知的好奇心を強く刺激されます。この業界にはこんな慣習があるのか、こんなビジネスモデルで採算性の高い企業があるのかと、まさに発見に満ちた毎日です。他の案件との兼ね合いはありますが、「この業界に興味があるからやってみたい」という意志もかなり尊重されています。むしろそういった主体性を持った人の方が歓迎されるカルチャーです。
投資銀行の仕事も面白かったのですが、バイアウトチームは特に働き方も自由なので、今の方がプライベートとも両立できています。これからもこの場所で成長していくつもりです。興味を持ってくださった方はぜひ門を叩いてみてください。